定年まであと2年を迎えられたO様。定年後は地元で暮らしたいと考え、他人の手に渡りそうな先代の家を買い取られました。ただ、古くに建てられた家ということもあり、ずいぶんと傷んでいました。「安心できる快適な住まいに戻すことができれば」という言葉をきっかけに、快適に暮らせる家へと蘇らせることになりました。
O様の希望は「和室ばかりで使いにくいので洋間にしたい」とシンプルでした。シンプルなご要望なだけに、ただ洋間に変えてしまうだけの再生では、家本来の良さが失われてしまう。そこで減築し、そのスペースに外縁を作ることにしました。また、象徴的だったかまどを再生して、土間を残すことに。そうすることで、季節を感じられる土間は、近所の方とお茶を飲みながら語り合う空間になりました。正月にはO様の親戚が集まり、内土間スペースで餅つきをしたいと話されていました。「この家が本家らしさを取り戻し、本当に嬉しい」とお喜びいただきました。