
続き和室:書院、飾り棚が美しい続き和室。
「昔の生活が思い出される」とお施主様のお気に入り。
意匠と陰影が醸し出す雰囲気は、
新築ではつくれない。
庭から和室、広縁を眺めた景色が素晴らしく、まさに夏を旨とする日本家屋の造り。
「この雰囲気を残したまま再生したい」というお施主様のご要望に、ぜひお手伝いしたく取り組みました。
きっかけは、お母様が独りで住まわれていた築150年、90坪の母屋が熊本地震で大規模半壊の被害を受けたこと。
「この雰囲気は新築ではできない。解体せず、次の世代へ」との思いが強まり、34坪に減築して残す計画が始まりました。
挑んだのは、伝統美を継ぎながら断熱や耐震性を高め、いかに生活しやすい室内環境をつくれるか。
完成後、お母様に「よくできたね」とお言葉をいただいたこと、お孫さんが「僕が住む」と手を挙げていらっしゃることも、うれしい結果となりました。
REFORM PLAN
- ■家族構成 | 夫婦
- ■延床面積 | 112.70㎡(約34.09坪)
- お施主様のご要望
-
- ・これぞ日本の古民家と思える再生
- ・昔の面影のまま断熱性や耐震性を上げる
- 新築そっくりさんのご提案
- 90坪を34坪に減築。
受け継がれてきた
和の意匠、
庭との調和を守りつつ、
水回りの使いやすさを追求した。


-
LDK:2階の床をそのまま1階の天井とする「踏み天井」。
天井を張り替えず、あえて見せることで意匠として活かしている。 -
外観:柱、梁、障子や欄間の簡潔な美。広い開口部による開放感。
居心地のよさが外観にも現れる。 -
広縁の天井:新築では再現できない、職人技が冴える天井組み。
構造がそのまま意匠に。 -
ガラス障子:庭が垣間見えるガラスに繊細な意匠美。
細部だが、この家の象徴でもある。 -
花菱座金物:釘隠しの金物一つとっても、芸術の域に達する和の意匠美が感じられる。
-
天袋:床の間脇の袋棚に描かれた襖絵。
この部屋に積み重なった時の長さを、静かに物語る。 -
書院障子:書院の上部に施された、美しく繊細な組子細工。
光を透かして文様が浮かび上がり、風雅な空間を演出する。